いしはら ひろたか
石原 宏高 (60)

自由民主党 衆議院議員

当選回数5

最終学歴
慶応義塾大学経済学部卒業
肩書き
衆議院議員

学歴

1988年3月 慶応義塾大学経済学部卒業

職歴

1988年4月 日本興業銀行入行
ニューヨーク支店、バンコク支店にて調査役
2001年4月 みずほフィナンシャルグループ
戦略第2部参事役

政歴

2005年9月 衆議院議員総選挙にて初当選(東京第3区)
2012年12月 衆議院総選挙にて二期目当選
2014年12月 衆議院選挙にて三期目当選
2016年8月 内閣府副大臣
2017年10月 衆議院選挙にて四期目当選
2019年9月 環境副大臣兼内閣府副大臣
2021年10月 衆議院選挙にて五期目の当選
国家の目指す一番の目標とは
国家の目指す一番の目標は、私は、GDP (国内総生産)を増やすことだと確信します。それは、上記の写真(少し古い、私の勉強会資料の一部 「アベノミクスの方向性とは」)からもお分かり頂けるように、福祉の充実、インフラの整備、防衛力の強化、教育の拡充等を行う原資となる税収も全て、経済規模が拡大することで獲得可能だからです。また、経済規模が拡大することで、雇用の拡大、賃金の増加も可能になるからです。
旧アベノミクス三本の矢がGDPにどの様な影響を与えたのかを示した資料が上記資料ですが、おさらいすると以下の通りです。

1.大胆な金融緩和政策
① 円安誘導による輸出の拡大
(名目輸出額2012年 72兆円 → 2020年 83.8兆円)
② 円安誘導による第一次所得収支(配当・金利等)拡大
(2012年 14.0兆円 → 2020年 20.7兆円)による企業業績の好転
③ 上記①、②による賃上げの実施、消費拡大
④ 円安誘導による国内直接投資の促進
(対日直接投資残高 2012年 19.2兆円 → 2020年 39.7兆円)
⑤ 金融緩和による株価上昇により、消費拡大
⑥ 円安による国内設備投資回帰
(民間企業設備投資 2012年 76.0兆円 → 2020年 86.2兆円)
2. 機動的な財政政策
① 政府支出の拡大(名目政府支出 2012年 124.6兆円 → 2020年 144.1兆円)
② 財政出動によって利益を得た企業が賃上げを行うことで消費拡大

3. 民間投資を喚起する成長戦略
① 農業改革:農地中間管理機構による農地の集約化による生産性向上。輸出促進政策(農林水産品の輸出額 2012年 4,497億円 → 2020年 9,217億円)、国家戦略特区における株式会社の農業参入、農地所有。
② 訪日外国人客の拡大策:大胆な金融緩和による円安、ビザの緩和(タイ・マレーシア・中国・インドネシア等)、免税品の対象拡大(訪日外国人客 2012年 836万人 → 2019年 3,188万人(2020年 412万人) 2019年の訪日外国人客の消費額4兆8,113億円)
③ 女性の輝ける社会の確立により、生産労働人口の拡大を行い消費増加
④ 外国人労働者の受入拡大(2016年10月末108万人→2019年10月末166万人)により生産年齢人口の拡大により消費増加:外国人技能実習生の滞在期間を3年から5年に延長、介護資格取得者の在留許可、新たな在留資格(特定技能1号、2号)による受入等により人手不足を解消
⑤ 水素ステーション、電気スタンドの拡充政策により、電気自動車(含むプラグインハイブリッド車)、燃料電池車の普及による消費拡大 水素ステーション(2021年1月末137カ所、その他25ヵ所整備中)燃料電池車(2021年3月末 累計販売台数約0.58万台) 電気スタンド整備(2012年5月末 5,907機(うち急速1,153機) →2019年12月末30,394機(うち急速7,858機)) 電気自動車(含むプラグインハイブリッド車)(2021年3月末 累計販売台数 約33.3万台)
⑥ 武器輸出三原則の見直しによる防衛関連商品の輸出拡大
⑦ IR(総合リゾート)による新規ビジネスの拡大、消費増
⑧ メタンハイドレードの商業化(2027年目途)により、エネルギー買取価格の交渉力をアップし、輸入価格の引き下げが実行出来れば、可処分所得の拡大、消費拡大も可能に
⑨ 電気事業法改正により、発送電分離、新規参入の拡大、スマートメーター普及等により電力料金の引き下げが可能となれば、可処分所得が拡大、消費拡大に
以上の様に、旧アベノミックス3本の矢は、GDP(国内総生産)を増やすための明確な政策です。一方で、この様な明確な経済政策を示す野党は存在しません。かつての民進党は、介護従事者、保育従事者の賃金を上げれば、消費が拡大すると主張しますが、子ども手当や、高校無償化で果たして消費が拡大したのか(名目民間最終支出 2010年 287.5兆円 →2012年 288.7兆円 実質民間最終支出 2010年 291.4兆円 → 2012年 295.8兆円)、実は消費に関しては、政権奪還後の、安倍前政権でも『充分な伸びを示していないのでは』との意見もあります。名目民間最終支出 2012年 288.7兆円 →2019年 305.6兆円(2020年 288.4兆円) 実質民間最終支出 2012年 295.8兆円 → 2019年 301.8兆円(2020年 283.9兆円)、民間最終消費 個人消費が、もうひとつ伸びない理由については、消費税の引き上げ、デフレの継続、人口減少といった理由が考えられます。また、2020年はコロナ禍、実質・名目共に大きく個人消費は減少しました。

上記の記述より、皆様に国家の一番の目標はGDPを増やすことであることをお分かり頂けたと思います。引き続き菅義偉・自公政権はGDPの拡大を全力で目指します。

更新日2021年12月22日
財政運営
財政運営は、中長期の経済財政運営方針に基づいて、行われるべきです。政府は、度重なる変更を行てきましたが、現在は、2021年1月21日に経済財政諮問会議に提出した「中長期の経済財政に関する試算」で2020年代後半に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目標としています。言わずもがな、この目標を目指して、財政運営が行われなければなりません。

プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化は、基礎的財政支出(歳出-国債費)から歳入を引いた場合、黒字となることです、日本の国債残高が減少することを意味しません。プライマリーバランスの黒字化はあくまで財政健全化の第一ステップなのです。 しかし、その第一ステップを、まず、達成しなければなりません。2020年度予算が170兆円を超える中、MMT理論に基づき、政府が幾ら借金しても問題ないとの議論がなされていますが、私はまだ、従来の姿勢で財政運営を行うべきと考えています。

ここで、2021年1月21日に経済財政諮問会議に提出された内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」の概要を掲載します。

(1)マクロ経済に関する異なる2つのシナリオによる試算

Ⅰ)成長実現ケース
① 全要素生産性(TFP)上昇率
日本経済がデフレ状況に入る前に実際に経験した上昇幅とペース(1982年度から1987年度までの、5年間で0.9%程度の上昇ペース)で、足元の水準(0.4%程度)から1.3%程度まで上昇。

② 労働力
<労働参加率>
性別・年齢階層別労働参加率が、平成30年度雇用政策研究会(2019年1月15日)において示された「経済成長と労働参加が進むケース」の労働力需給推計を踏まえ推移(例えば、25-44歳女性の労働参加率は、2019年度の80%程度から2030年度の89%程度まで徐々に上昇。また、65-69歳男性の労働参加率は、2019年度の61%程度から2030年度の69%程度まで、65-69歳女性の労働参加率は、2019年度の39%程度から2030年度の49%程度まで徐々に上昇。)

<外国人労働者>
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」を踏まえ、外国人数が増加(2019年の244万人から2030年に315万人)。それに加え、「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(2018年12月25日閣議決定)で示された「受入見込み数」を踏まえ、新制度に基づく34.5万人程度の外国人労働者の受入れ拡大に伴って労働力人口が増加。

③ 世界経済等
<世界経済成長率(日本からの輸出ウェイト(主要10ヵ国)を勘案した実質成長率)>
2022年度から2025年度の間は、IMFの世界経済見通し(2020年10月)に基づく成長率(年率3.4~4.0%程度)で推移し、それ以降は3.4%程度で横ばい。

<物価上昇率(日本からの輸出ウェイト(主要10ヵ国)を勘案した物価上昇率)>
2022年度から2025年度の間は、IMFの世界経済見通し(2020年10月)に基づく上昇率(年率1.9~2.2%程度)で推移し、それ以降は2.2%程度で横ばい。

<原油価格>
2022年度以降、世界銀行の商品市場見通し(2020年10月)に基づく上昇率(平均4.3%程度)で推移。

Ⅱ)ベースラインケース
上記「成長実現ケース」との違いは次のとおり。

① 全要素生産性(TFP)上昇率
将来にわたって0.7%程度(2002年1月以降(第14循環以降)の平均)で推移。

② 労働力
<労働参加率>
性別・年齢階層別労働参加率は、平成30年度雇用政策研究会(2019年1月15日)において示された「経済成長と労働参加が一定程度進むケース」の労働力需給推計を踏まえ推移(例えば、25-44歳女性の労働参加率は、2019年度の80%程度から2030年度の88%程度まで徐々に上昇。また、65-69歳男性の労働参加率は、2019年度の61%程度から2030年度の64%程度まで、65-69歳女性の労働参加率は、2019年度の39%程度から2030年度の45%程度まで徐々に上昇。)。

③ 世界経済等
<世界経済成長率(日本からの輸出ウェイト(主要10ヵ国)を勘案した実質成長率)>
2022年度以降、IMFの世界経済見通し(2020年10月)に基づく成長率(年率3.4~4.0%程度)を年率0.8%pt程度

(注)下回る成長率(年率2.6~3.2%程度)で推移する。
(注)IMFの世界経済見通しの予測における50%信頼区間を考慮

(2)税制
  • 国の一般会計税収については、2019年度は決算、2020年度は補正予算政府案(第3号)、2021年度は予算政府案を反映。
  • 「令和3年度税制改正の大綱」(2020 年12月21日閣議決定)で示された税制改正事項を反映し、原則、改正後の税制が継続するものと想定。また、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(2020年4月20日閣議決定)における税制上の措置のうち、固定資産税の軽減措置等を反映。
  • 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(2011年12月2日公布)、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」(2011年12月2日公布)を踏まえ、復興特別税の実施、個人住民税均等割の税率引上げを反映。
(3)歳出
  • 国の一般会計歳出については、2019年度は決算、2020年度は補正予算政府案(第3号)、2021年度は予算政府案を反映。
  • 2022年度以降の期間については、「全世代型社会保障改革の方針」(令和2年12月15日閣議決定)を反映した上で、社会保障歳出は高齢化要因や物価・賃金上昇率等を反映して増加、それ以外の一般歳出は物価上昇率並みに増加する(実質横ばい)と想定。社会保障・税一体改革等を踏まえ、消費税率引上げ後に、社会保障制度改革の実施などにより一定の歳出増が、各年度において社会保障の充実・安定化と財政健全化の両立が図られつつ段階的に生じることを想定。
  • なお、社会保障歳出は、将来の人口動態、マクロ経済の動向などを基に、経済財政モデルにおいて内生的に推計されるものであるが、政策的要因その他の外部要因による変動も大きく、相当の幅をもって理解される必要がある。
(1)成長実現ケース
(2)ベースラインケース
2021年1月の試算では、成長実現ケースで、はじめて、2029年にプライマリーバランスが黒字化しますが、 出来る限り、成長実現ケースを目指して、財政運営を行うべきです。

勿論、経済は生き物です、今までの様に成長実現ケースの様になるとは限りません、だから、ベースラインケースなら、財政破綻するかと言えば、そうでもありません。日本は、国債の約9割が国内投資家によりファイナンスされており、国の国債残高も拡大しているものの、国民の個人金融資産も拡大しているからです。大議論のMMT理論でも、デフレ下の財政拡大は問題ないとの考えもあります。但し、国民誰もが、財政運営を客観的に判断できる必要があり、適宜、「中長期の経済財政に関する試算」を公表し、実際に財政運営が試算の様に運営されているか、運営出来なくても問題は無いかを、国民に納得出来るようにすることが重要であり、指標として、引き続き「中長期の経済財政に関する試算」を示すことは重要であると私は考えます。

更新日2021年12月22日
社会保障制度全般
小泉純一郎政権下の「骨太の方針2006」において社会保障関連歳出の高齢化による自然増毎年7500億円に対し、制度改革等による合理化で毎年▲2200億円を図り5300億円増に止めるとの方針が取られたため、細部に支障を来たし頓挫することになりました。

診療報酬が引き下げられる中、医療リスクの高い、小児科や産婦人科に医師がならない、患者数の少ない過疎地に医師が行かない、利用者負担の拡大やサービスの削減で現場は立ち行かない等、問題が生じ、社会保障給付の削減にストップが掛かってしまったのです。

【診療報酬改定の推移】
2002年 ▲2.7%
2004年 ▲1.05%
2006年 ▲3.16% (小泉政権時代)
2008年 ▲0.82%
2010年 △0.19%
2012年 0.00%
2016年 △0.46%
2018年 △0.55%
2020年 △0.55%

このことを教訓に、自公民の三党は、「社会保障と税の一体改革」で合意し、消費税を5%から段階的に8%、10%と引き上げることで、上乗せ分を社会保障に充当することで社会保障制度の持続と消費税引き上げ分の一部を充実策に充当することで合意をしたのです。

日本が抱える現在の一番の問題は少子高齢化並びに人口減少です。その結果、今年67歳~69歳(1947年~49年生まれ)の所謂団塊の世代(最も人口の多い世代)が、75歳になってゆく2020年代が、医療、介護共に負担が大きくなる時代となります。更に、団塊ジュニアが75歳を迎える2040年代後半から2050年代までも、現役世代の減少により継続的に、医療、介護の負担が国民に重くのし掛かる時代を迎えるのです。

財務省は、かつて、国民負担率(国民所得に占める租税負担と社会保険料負担の割合)が他の先進国と違い日本は低いので、国民に税や保険料負担をお願いすれば、何とかこれからの高齢化時代を乗り越えられると考えました。社会保障制度の問題は、正に国民への負担の割合と、サービスの割合をどう折り合いを付けさせるのかが、課題です。現在は、タイミングの良し悪しはあるものの、消費税を社会保障制度維持のために引き上げることに関し国民の同意が得られていると私は考えています。

【国民負担率】
(日本は2018年度、他国は2018年度 出典:財務省HP)

日本: 44.3%
アメリカ: 31.8%
イギリス: 47.8%
ドイツ: 54.9%
スウェーデン:58.8%
フランス: 68.3%

国会での議論を聞いていると国会議員は医療にせよ、介護にせよサービスを充実させることを主張していますが、その財源となる保険料や税の国民負担に関しては十分に語られていません。社会保障の議論をする際、やはり、財源となる保険料と税の負担と社会保障サービスのバランスに関し、数値を持って議論しなければ、国民の理解も安心も勝ち得ないはずです。

ここからは、自公民で合意した 「社会保障と税の一体改革」による社会保障の充実に関してお話しします。消費税が10%に引き上げられた際、引き上げ分5%の内1%相当を以下の施策に充当することになりました。しかし、2014年12月の総選挙に際し、2015年10月からの消費税10%引き上げが見送られたため、子ども子育て支援の7,000億円のみ2015年4月より実施されました。
その後、2017年10月の総選挙において、消費税の2%引き上げ分のうち1%は幼児教育の無償化、高等教育の無償化に充当されることに政策が変更されました。消費税が10%に引き上げられた2019年10月以降、適時、幼児教育の無償化、高等教育の一部無償化が実施されています。

【社会保障と税の一体改革による社会保障の充実】 合計2.8兆円程度
  1. 子ども子育て支援充実(待機児童の解消など量的拡充と質の向上) 7,000億円
  2. 医療・介護サービスの提供体制改革・医療・介護保険制度の改革等 1兆5,000億円
    ・地域包括医療システムの構築、医療保険制度の財政基盤の安定化、介護保険の一号保険料の低所得者軽減強化等
  3. 現行年金制度の改善 6,000億円
    ・低高齢所得者・障害者への福祉的給付(年プラス6万円)、受給資格期間の短縮、遺族年金の父子家庭への拡大
最後に、繰り返しになりますが、今後も、負担と給付の内容、国際比較等をしっかり説明しながら、日本の財政状況も勘案しつつ、社会保障制度について、国民の理解を得ながら、議論することをお約束申し上げます。
更新日2021年12月22日
少子化対策・子育て支援
日本の出生率は、戦後直後の1947年は4.54人でした。しかし、2005年には過去最低の1.26人となりました。
直近では2009年 1.37人、2010年 1.39人、2011年 1.39人、2012年 1.41人、2013年 1.43人 2014年 1.42人 2015年 1.46人 2016年 1.44人、2017年 1.43人、2018年 1.42人、2019年 1.36人と一端、上昇した後に、2016年以降、減少しています。
勿論、諸外国と比較した場合、低位で推移しているのです。
自公政権は、新アベノミックス3本の矢の一つとして、希望出生率、1.8人を掲げましたが、少子化対策・子育て支援の概要と予算額について内閣府の2021年度予算を元にご説明致します。

【内閣府予算 子ども子育て支援の概要と予算額】
●子ども子育て支援新制度の実施 3兆6,868億円
主な内訳

① 教育・保育、地域の子ども・子育て支援の充実(一部社会保険の充実) 1兆7,163億円
  • 子どものための教育・保育給付 1兆5,299億円
    ー施設型給付、委託費(認定こども園、幼稚園、保育所に係る運営費)、地域型保育給付(家庭的保育、小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育に係る運営費) 等
  • 地域子ども・子育て支援事業 1,864億円
    ー市町村が地域の実情に応じて実施する事業の支援。利用者支援事業・延長保育事業・放課後児童健全育成事業・地域子育て支援拠点事業・一時預かり事業・病児保育事業・子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業) 等 

② 幼児教育・保育の無償化の実施 1,532億円
ー「新しい経済政策パッケージ」等に基づき、3歳から5歳までの子供及び0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供にいての幼稚園、保育園、認定こども園、認可外保育施設等の費用を無償化する。

③ 企業主導による多様な就労形態等に対応した多様な保育の支援 1,939億円
  • 企業主導型保育事業 1,929億円
    ー休日や夜間の対応など企業の勤務時間に合わせた保育や、複数企業による共同利用などの柔軟で多様な保育の提供を可能とする施設に支援する。
  • 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業 7.8億円
    ー残業や夜勤等の多様な働き方をしている労働者が、ベビーシッター派遣サービスを利用しやすくなるよう支援する。

④ 児童手当制度 1兆2,949億円
【児童手当の概要】
  1. 制度の目的
    ●家庭等の生活の安定に寄与する
    ●次代の社会を担う児童の健やかな成長に資する
  2. 支給対象
    ●中学校修了までの国内に住所を有する児童(15歳に到達後の最初の年度末まで)
  3. 所得制限(夫婦と児童2人)
    ●所得限度額(年収ベース) 960万円未満
  4. 手当月額
    ●0~3歳未満一律15,000円
    ●3歳~小学校修了まで第1子、第2子:10,000円・第3子以降:15,000円
    ●中学生一律10,000円
    ●所得制限以上一律5,000円(当分の間の特例給付)
  5. 支払期月
    ●毎年2月、6月及び10月(各前月までの分を支払)
尚、ご批判はありますが、「全世代型社会保障改革の方針」において、児童手当には、「少子化対策大綱」等に基づき、高所得者の主たる生計維持者(年収1,200万円以上の者(子ども2人と年収103万円以下の配偶者の場合))を特例給付の対象外として、2022年4月10月支給分から適用することとされました。

かつて、匿名ブログに「保育園落ちた日本...」との記載があったことが、衆議院予算委員会で取り上げられました。当時民進党は、保育士の待遇改善を強く主張しましたが、自公政権では、2015年度において、人事院勧告に従い2%、消費税財源を活用した3%相当、2015年度補正予算で1.9%相当の処遇改善を行ってきました。

2019年度も、2018年人事院勧告に従い+0.8%、更に、「新しい経済政策パッケージ」に基づき1%(月3,000円相当)の処遇改善を行いました。

難しい問題は、政府が予算措置をしても、市区町村が最終的な判断をすることから、市区町村が流入人口や、将来の保育児童数や、保育士の確保の可能性等を勘案し、待機児童対策を行っていることから、どうしても待機児童対策が完璧にゆかない点です。

私の選挙区の品川区では、認可保育所の増設も行っていますが、保育士が集まらないことから当初の定員数を減らしました。また、民間認証保育所に補完を頼るべく、認可保育所と同等の保育料(月額2~3万円)で、認証保育所に児童を預かって貰うために補助も行っています。

只、施設の広さ等の課題から、認証保育所より認可保育所を望む父母が多いため、苦労をしています。
子育てを社会全体で行ってゆく姿勢に、与野党の違いはありません。自公政権はこれからも少子化対策・子育て支援の充実を図って参ります。

更新日2021年12月22日
教育問題
学級崩壊や少年犯罪の多様化、礼節の欠如など、教育には課題が山積しています。教育に関しては本来、数十年先を見据えた構想が必要であり、小手先の改革では解決し得ない問題です。

2006年に改正された教育基本法では、「個人の尊厳」を重んじるとともに、「公共の精神」の尊重、「豊かな人間性と創造性」、「伝統の継承」を規定しました。いずれも普遍的な原理であり、人材の育成に不可欠な要素であり、私は「教員の育成」にも、さらに力をいれるべきだと考えます。礼節ある教員が存在してこそ、子どもたちに模範を示すことができます。

明治政府は師範学校を制定し、教育者の育成に尽力しました。師範学校は授業料がかからず、教育者に幅広く人材を集めることができました。教員の養成に努める姿勢は、今日にも必要なことです。厳しい財政状況の中、全て教育はただというわけにはいきませんが、教育のための投資は、国家に対する投資でもあり重要事項だと考えます。

教育とは国家百年の大計であり、「人づくり」なくして「国づくり」は成し得ません。将来の日本を担う人材を育てるためには、教育の更なる改革に全力を尽くす必要があります。

私の教育問題に関する基本姿勢は以上の様なものですが、個別の施策について以下の通り、お話をさせて頂きます。

まず、
第一に民主党政権下で導入された高校授業料実質無償化政策です。2010年度より導入された高校授業料実質無償化制度は、2013年に自民党政権下において法律改正を行い、2014年度から所得制限を設けました。更に2020年4月より上限額の引き上げが行われました。現在の制度の概要は以下の通りです。

【高校授業料実質無償化】
  • 対象:年収590万円・910万円というのは一つの目安であり、実際に所得要件の判定を行う際には、世帯の構成等をもある程度反映し判定を行います。一部は下記の無償化の内容に記載しますが、詳しくは文部科学省のHPで「高等学校等支援金制度」でご確認下さい。
  • 学校の範囲:国公私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)、中等教育学校後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校(1~3学年)、専修学校(高等課程)、専修学校の一般課程や各種学校のうち国家資格者養成課程に指定されている学校、各種学校のうち一定の要件を満たす外国人学校(告示で指定)公立高校、私立高校(全日制・夜間)、国公立の専門高等学校(1~3年生)
  • 無償化の内容
※子について、中学生以下は15 歳以下、高校生は16~18歳、大学生は19~22歳とする。
※給与所得以外の収入はないも のとし、両親共働きの場合、両親の収入は同額として計算している。
※配偶者控除対象となっている 場合、一報が働いている場合とみなす。

第二に、教員の免許更新制度の必要性について述べます。教員免許更新制は、2007年6月の改正教育職員免許法の成立により導入が決定され、2009年4月から開始されて以来、民主党政権時代、廃止が取りざたされていましたが、廃止されることなく今日まで継続して実施されています。

教員免許更新制は、教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に免許状更新講習を30時間以上受講・修了して最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目的としています。いわゆる指導力不足の教員については、教育公務員特例法の規定に基づき、教員免許更新制とは別に、指導改善研修及びその他の措置が定められています。また、教員免許更新制においては、現職教員が更新手続を行わないまま期限を経過した場合、免許状は失効することとなっており、更新手続を行わず、免許状が失効した現職教員の数は、制度開始以降、2010年度98人、2011年度117人、2012年度102人、2013年度60人、2014年度47人、2015年度157人、2016年度201人、2017年度239人、2018年度300人、2019年度773人(2019 年度は、旧免許状所持者の受講対象者が、従来の満 55 歳、45 歳、35 歳である者に加え、35 歳未満の者も受講対象者に含まれているため、調査対象の現職教員が、前年度の約1.77倍であった。また、773名のうち567名は、幼保連携型認定こども園の保育教諭等(園長を含む)の職にある者であり、継続勤務が可能となっています。)となっています。

第三に、高等教育(大学・短期大学・専門学校等)を受ける機会を得るために、政府・与党が進める無利子奨学金の拡大、返済不要な給付型奨学金の拡充が必要です。給付型奨学金、無利子奨学金、有利子奨学金の現状については以下の通りです。

(独)日本学生支援機構の大学等奨学金事業における無利子奨学金、有利子奨学金の実績

○令和元年度実績(最新)
<給付型奨学金>
(従来の給付型奨学金は、住民税非課税世帯を対象に、高校からの推薦があ った者に給付。)

・給付人員3万6,577人

・給付金額138億円

<無利子奨学金>
・貸与人員 56万8千171人

・貸与金額 3,577億円

<有利子奨学金>
・貸与人員 70万2千54人

・貸与金額 6,142億円

引き続き、有利子奨学金が最多の状況です。しかし、無利子奨学金も拡充されており、また、従来の給付型奨学金についても、徐々に積みあがっています。2019年10月1日の10%への消費税引上げ後、2020年4月より大学や専門学校等の高等教育の無償化を実施されています。この高等教育の修学支援新制度(以下「新制度」)は、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯を対象とするなど対象者数を大幅に拡充するとともに、給付型奨学金のみならず授業料等減免も併せて実施しています。尚、令和2年度予算額:2,354 億円(授業料等減免と合わせると 4,882 億円)、 51.4 万人分) となっています。

【高等教育無償化の内容】
  • 対象:住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生
  • 学校の範囲:大学、短期大学、高等専門学校、専門学校
  • 無償化の内容:
1. 入学金・授業料免除の年間上限額(住民税非課税世帯 年収目安約270万円以下)
※年収目安約270万円~約300万円は上記の2/3、約300万円~約380万円は上記の1/3。

2 . 給付型奨学金の拡充(住民税非課税世帯 年収目安約270万円以下)

国公立 |  自宅生 約35万円
 大学・短期大学・専門学校 |  自宅外生 約80万円
私立 |  自宅生 約46万円
 大学・短期大学・専門学校 |  自宅外生 約91万円

※年収目安約270万円~約300万円は上記の2/3、約300万円~約380万円は上記の1/3、高等専門学校の学生については、学生生活費の実態に応じて、大学生の5割~7割の程度の額を措置する。

第四に、日本人の学生の公費留学制度を拡大する必要があります。日本で勉強した外国人が楽天やユニクロに就職するのではなく、日本人の学生が留学し、国際社会で戦える人材の育成を図ることが、必要であると私は考えます。 私はライオンズクラブの一員として、17年前から青少年英語スピーチコンテスト(都知事賞 翌年3週間の米国英語研修副賞付)に参画していますが、2016年からは、文部科学省、東京都教育委員会のお力もお借りして、都立高校や、英語教育に熱心なグローバル人材育成学校からの参加が増えました。世界で活躍できる新たな人材を育成するために、微力ですが、あらゆる面で努力して参ります。

第五に、教員の適正配置が必要です。少子高齢化の時代、財務省は、教員の削減を文部科学省に要請していますが、Learning Disability等障害を持つお子さんの拡大、外国人のお子さんの拡大、そして2021年4月より段階的に導入される小学校における35人学級等、教育環境の変化に合わせて、適正な教員の配置が必要です。加配制度の充実を図り、適正な教員配置に努めてまいります。

以上、幾つかの個別政策を述べましたが、繰り返しになりますが、教育は国家百年の大計であり、引き続き必要な施策を真剣に検討して参ります。

更新日2021年12月22日
生活保護制度の見直し
民主党政権下、生活保護者は急増しました。厚生労働省によれば、生活保護者数は平成21年度(2009年度 一カ月平均)1,763,572人、平成22年度 1,952,063人、平成23年度 2,067,244人、平成24年度 2,135,708人と民主党政権下の3年4カ月で、約47万人急拡大しました。
自民党政権に戻ってからは、平成29年度までの数値ですが、平成25年度(2013年度 一カ月平均)2,161,612人、平成26年度 2,165,895人、平成27年度 2,163,685人、平成28年度 2,145,438人、平成29年度 2,124,631人と、平成24年度と比較して、平成29年度では約1万人に減少しています。更に、生活保護費の推移を見ると、平成20年度 2.7兆円 平成21年度 3.0兆円 平成22年度 3.3兆円 平成23年度 3.5兆円 平成24年度 3.6兆円と民主党政権下で約6,000億円増加しましたが、自民党政権下では、平成25年度 3.63兆円 平成26年度 3.67兆円 平成27年度 3.70兆円 平成28年度 3.67兆円、平成29年度 3.66、平成30年度 3.61兆円、令和元年度3.59兆円、令和2年度3.71兆円(予算額)。令和3年度3.76兆円(予算額)と推移しており、平成24年度実績と令和3年度予算額を比較すると約1,600億円増と拡大幅は小さくなっています。

これは、自民党が政権を奪還した後、アベノミクスの効果で雇用が拡大したことや、平成25年度に生活保護法の改正が成されたことが起因しています。

平成25年(2013年)の生活保護法の見直しは、必要な人には確実に保護を実施するという基本的な考え方を維持しつつ、今後とも生活保護制度が国民の信頼に応えられるよう、就労による自立の促進、不正受給対策の強化、医療扶助の適正化等を行うための所要の措置を講ずるもので、以下の内容となっています。

1.就労による自立の促進
  • 就労の支援に関する被保護者からの相談に応じ、必要な情報提供及び助言を行う事業を法定化。(※1)
  • 安定した職業に就くことにより保護からの脱却を促すための給付金(支給額:上限額 単身世帯10万円、多人数世帯15万円)を創設等する。
2.不正・不適正受給対策の強化等
  • 福祉事務所の調査権限を拡大する(就労活動等に関する事項を調査可能とするとともに、官公署の回答義務を創設する。)。
  • 罰則の引上げ及び不正受給に係る返還金の上乗せをする。
    (①不正受給の罰則について「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」から「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に引上げ
    ② 不正受給に係る徴収金について100分の40を乗じた金額を上乗せすることを可能とする)
  • 不正受給に係る返還金について、本人の事前申出を前提に保護費と調整する。
  • 福祉事務所が必要と認めた場合には、その必要な限度で、扶養義務者に対して報告するよう求めることとする。
3.医療扶助の適正化
  • 指定医療機関制度について、指定(取消)に係る要件を明確化するとともに、指定の更新制を導入する。(指定期間は6年間
  • 医師が後発医薬品の使用を認めている場合には、受給者に対し後発医薬品の使用を促すこととする。(※2)(改革工程表において、生活保護受給者の後発医薬品の使用割合について、2017年央までに75%とするとともに、2017年央において、医療全体の目標の達成時期の決定状況等を踏まえ、80%以上とする時期について決定する。その後、目標は2018年度とされ、2018年度以降も80%とすることが改革工程表に記載されました。)
参考)生活保護者の後発医薬品の使用割合推移
  • 2015年度 63.8%
  • 2016年度 69.3%
  • 2017年度 73.3%
  • 2018年度 77.6%
  • 2019年度 86.2%
  • 国(地方厚生局)による医療機関への直接の指導を可能とする。
4.健康・生活面等に着目した支援
  • 受給者それぞれの状況に応じた自立に向けての基礎となる、自ら、健康の保持及び増進に努め、また、収入、支出その他生計の状況を適切に把握することを受給者の責務として位置づける。(※2)
当該改正は、平成26年7月1日に施行されました。(一部平成 26年1月1日(※2)、平成27年4月1日(※1) ) 

民主党政権下、生活保護者が急増し、生活保護費が拡大した原因は景気の低迷のみならず、厚生労働省の通達により、生活保護への申請・許可が緩和されたためであると考えられますが、自民党が政権を奪還した後、上記の見直しが行われた結果、生活保護者や生活保護費の拡大は抑えられています。

私は更に、生活保護制度の信頼を維持するために、必要な改正、適正化を自民党は進めてゆく必要があると考えます。学習院大学の鈴木教授が提唱される生活保護者が生活保護から脱するために、働いた場合、その賃金を「凍結貯蓄」(上限50~60万円)として保有出来るインセンティブを認めることも、私は検討すべきであると考えます。また、生活保護費の半分を占める医療扶助について、更なる削減を図るために、1割負担もしくは窓口負担500円等を設けることで、削減を実施する必要があるとも考えます。
生活保護者が救急搬送された場合、無理矢理、全ての検査を行う様な病院については行政指導を行い、改善が見込まれない場合は、指定病院を解除出来るように法改正でなりましたが、引き続き生活保護費を適正に抑制するためにあらゆる手だてを講ずる必要があると私は考えます。

更新日2021年12月22日
年金制度
年金制度に関して、かつて民主党が掲げた最低保障年金月額7万円、保険料負担は月収の15%を上限等、議論は行われましたが、結局、賦課方式から積立方式への移行は困難ということで年金の抜本改革案は提出されることはありませんでした。私もかつて、全額税負担の最低保障年金と積立方式への移行へ賛同の立場でありましたが、困難であることを思い知らされました。

過去に平成22年度決算(2010年度決算)における厚生年金基金残高113.4兆円、国民年金基金残高7.7兆円を基に、経済評論家の野口悠紀雄氏の試算で2030年まではこの基金残高があるので現行制度は維持出来るとした記載が野口氏の著書にありましたが、それから先については引き続き問題が残ります。勿論、堅実なシミュレーションを基に抜本改革の議論は常に行う必要性があると私は考えますが、不確定要因が多すぎる中、まずは現行制度に修正を加えながら継続するための、議論を優先せざるを得ないと思います。

足らざるを補う観点から、令和元年予算では、消費税が10%に10月1日から引き上げられることを前提に、低年金受給者に対し最大月額5千円の上乗せして、最大年6万円上乗せした給付を行います。
また、高齢者の勤労意欲向上を狙い、年金減額の見直しも現在、議論されています。国の財政同様、年金試算も逐次開示し、オープンな議論を深める必要性があると私は考えます。
ここでは引き続き、現行制度のお復習いをします。

国民年金
保険料=2017年度以降、月額1万6千900円を40年間支払えば、65歳から生涯毎月6万5千円貰える。対象は自営業者、自営業者の配偶者、非正規労働者、無職、学生等

厚生年金
保険料=2017年以降、月収の18.3% 雇用者、被雇用者折半)65歳より標準世帯で生涯平均年収50%を受給 平均受給月額30.9万円(平成29年度)、対象はサラリーマン・公務員世帯

更に、今までも記載していた経済同友会の年金改革案を古いですが、面白い考え方なので記載します。
2002年12月に経済同友会の社会保障改革委員会(井口武雄委員長)がまとめた改革案では、月額7万円をナショナル・ミニマムと設定し、それ以外は自己責任で、必要があれば民間の年金を活用するというもので、詳細は以下の通り。

  1. 消費税と基礎年金相当分の積立金を原資として、原則として65歳以上の高齢者に対し、一人月7万円、年84万円の「新基礎年金」を創設する
  2. 厚生年金の報酬比例部分については、既払込手数料を基礎年金の積立分を除いて払い戻し、公的年金は解消し民間への移行をはかることにする
  3. 保険料払戻し不足分は国債発行により調整し、払戻しは複数年かけて実施することとする
  4. 改革時における受給者について払戻しはせず、激変緩和措置として、厚生年金既裁定額から新基礎年金7万円を差し引いた額の5割(ただし、上限6万円)を「終身特例手当」として支払う
年金受給者には不満が残るかもしれませんが、現行の年金制度を信用していない現役世代、特に若者にとっては、支持される改正案になるかもと思っていたので参考までに掲載しました。

何にせよ、年金制度を議論する上には、詳細なシミュレーションが必要であり、シュミレーションの開示を行いつつ、国民的議論を継続的に行うことが重要であると繰り返しになりますが私は考えます。
更新日2021年12月22日
規制緩和・技術革新による新規ビジネス
経済活動はグローバル化し、それは大変厳しいものです。今までも、東芝の半導体子会社、東芝メモリが米投資会社のベインキャピタル率いる日米韓連合に売却されました。 また、シャープが台湾のホンハイの資本参加を仰ぎ再出発することになりました。三菱自動車もルノー・日産自動車グループの傘下に入ることになりました。
もはや、この厳しい国際競争に勝ち残っていくためには、今までの殻を打ち破って、既存の概念を捨てない限り、生き残ることは出来ません。規制緩和や技術革新により新たなビジネスを創出することが日本の更なる発展には不可欠です。

規制緩和の一例として、批判を覚悟の上で、武器輸出三原則の撤廃を挙げます。確かに、武器輸出三原則は緩和されましたが、思い切った撤廃も視野に入れるべきです。武器といっても、人を殺傷するものでなく、例えば、川崎重工が開発した新規軍用輸送機C-Xや、新明和工業の飛行艇US-2、また、潜水艦等を海外に販売すれば、もし生産が伸びれば、これは軍事産業であることから工場を海外に移転することは出来ず、雇用拡大に繋がるし、自衛隊の調達コストも引き下げ可能となるからです。
C-2輸送機※出典:航空自衛隊ホームページ主要装備より
新明和工業の飛行艇US-2※出典:海上自衛隊ホームページより
タブー視されてきたという同じ様な意味で、また、新型コロナウイルスにより人の移動が制限されている状況であるものの、将来を展望すれば以前からも述べていますが、カジノを含むIRも早く開設すべきです。シンガポールの二つのカジノリゾートは開業以来、好業績を計上していますし、フィリピンでも、カジノ公社の直営カジノから、外資によるカジノリゾートに方向を転換し、新規カジノ建設が進んで来ました。
カジノは、レストラン、ブランド店舗、エンターテイメントビジネス等、大きな雇用が見込まれます。アメリカ全土にはカジノが約1000件あるのに対し、アジアの数はそこまで行っていません。日本がカジノを含むIRを開設すれば、新たな可能性が広がります。
産業空洞化を回避し内需拡大を図るためには、新たなビジネスを創り出すことしかありえません。今までのタブーを乗り越えなければ、日本の繁栄はあり得ないのです。大胆な発想の転換が不可避であると私は考えます。

既存のビジネスですが、海外インフラビジネスの促進も重要です。新幹線、原子力発電所は苦戦していますが、火力発電所、橋梁、飛行場、高速道路、地下鉄等々、日本の技術を官民協力して主に新興国に売り込むことが重要です。海外インフラビジネス促進を自公政権は推し進めていますが、日本再興戦略2016では、2020年にインフラ輸出30兆円を目指していました、引き続き2020年台初頭での達成を目指します。
IBMワトソンのような日本版AI(人口知能)の開発、自動車の自動運転の実用化、ロボット化の推進、ブロックチェーン技術を利用した新たな金融サービスの開発、日本交通が開発したスマホアプリによるタクシー配車システムの全国普及(米国ウーバー社対策として)、キャッシュレス決済の更なる普及、燃料電池車(水素エンジン自動車)、プラグインハイブリッド車、電気自動車の一層の普及、洋上風力発電の普及等々、新たな技術により新ビジネスを生み出すことが、21世紀、日本が世界で生き残るために絶対に不可欠です。最後に、キャッシュレス決済は単に消費者の利便性向上だけでなく、その消費データが新たなビジネスに結び付くと考えられています。このデータ戦略を立案する司令塔をデジタル庁が担う可能性も大です。未だ、具体的な政策は提示されていませんが、決済データを新たなビジネスに結び付けることは、低金利で苦しむ金融機関の新たな収益源となる可能性もあり、具体化を進めるべきと私は考えます。

勿論、個人情報の取り扱いの課題がありますが、政府は現在、資金移動業者にも、給与振込を認める(ペーロール)ことを、マネーロンダリングや個人情報管理に配慮しつつ、検討しています。キャッシュレス決済のデータが新たな時代を切り開くリソースとなりうる時代を迎えているのです。

更新日2021年12月22日
雇用対策について(外国人労働者の受入)
月例経済報告主要経済指標のデータによれば、民主党政権最後の2012年12月の完全失業率は4.2%、15~24歳完全失業率7.1%、有効求人倍率(季節調整値)は0.82倍でした。自民党政権に戻ってからは、改善が進み、武漢での新型コロナウイルスによる都市閉鎖が行われる直前の2019年12月には、完全失業率2.2%、15~24歳完全失業率3.2%、有効求人倍率(季節調整値)は1.57倍となっていました。しかし、新型コロナウイルスによる日本経済の減速により2020年12月の完全失業率は2.9%に、15~24歳完全失業率5.1%、有効求人倍率(季節調整値)は1.06倍まで悪化しています。

アベノミクスの効果により景気回復が進んだことから、雇用環境は改善しました。政権交代前の自公政権以来、厳しい雇用環境に対処するため、雇用調整助成金の拡充や、再就職支援・能力開発対策予算の拡充、緊急雇用創出事業、住宅・生活支援事業の予算拡充等が行われてきましたが、やはり、経済回復が雇用環境を改善するには一番の処方箋であることが実証されています。如何に新型コロナウイルス感染の拡大を収束させて、経済を回復させるかが雇用の鍵です。

2015年9月、安倍・自公政権のもと、労働者派遣法の改正が行われました。この法改正により、2015年9月30日(施行日)以降、特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の区別は廃止され、すべての労働者派遣事業は、新たな許可基準に基づく許可制となりました。

改正前の、いわゆる「26 業務」への労働者派遣に期間制限を設けない仕組みが見直され、施行日以後に締結された労働者派遣契約に基づく労働者派遣には、すべての業務で、次の2つの期間制限が適用されるようになりました。その派遣期間とは、派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則、3年が限度となりました。派遣先が3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、派遣先の事業所の過半数労働組合等からの意見を聴く必要が新たに設けられました。野党は、これを派遣切りに繋がる法改正と批判しましたが、「26業務」の派遣には、制限がなかったことから、これでは一生、派遣のままになってしまうという観点から法改正が行われたのです。この法改正により、野党が批判するような派遣期間終了後の派遣切りが行われないように、派遣元事業者に派遣社員に対するキャリアアップ措置(①段階的かつ体系的な教育訓練、②希望者に対するキャリア・コンサルティング)行うことを義務付けられたほか、派遣元事業主は、同一の組織単位に継続して1年以上派遣される見込みがあるなど一定の場合に、派遣労働者の派遣終了後の雇用を継続させるための措置(雇用安定措置)を講じることが必要になりました。
雇用安定措置とは
①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
③派遣元事業主による無期雇用
④その他雇用の安定を図るために必要な措置(新たな就業の機会を提供するまでの間に行われる有給の教育訓練・紹介予定派遣などの措置)の4つです。

本法改正は決して派遣切りを推進するための法改正でないことをお分かり頂けると思います。

2018年の通常国会に、働き方改革関連法案として罰則付き労働時間規制、同一労働同一賃金を規定する内容と、罰則付き労働時間規制が設けられる中で、特殊技能を有する社員に、労働時間規制を撤廃する、所謂、「ホワイト・エクゼンプション」を認める法律案の提出が検討されていました。しかし、厚生労働省より提出された裁量労働制のデータが、改竄されたと批判される様なお粗末な中身であったため、当初の法案から修正がなされ高度プロフェッショナルといった形で制限のある裁量労働制の中身の法案が提出され、なんとか成立しました。

2019年4月、同法は施行され大企業に対し罰則付き労働時間規制、同一労働同一賃金が適用されています。今後、2020年4月より中小企業へ、その後、猶予期間のある建設業、トラック運送業、勤務医等にも順次、適用されます。

最後に、新型コロナ禍、雇用環境は悪化しているものの、一方で、2015年の簡易国勢調査の結果で分かるように人口が10年間で約95万人減少し、これから、毎年50万人以上人口が減少する傾向であり、将来的には人手不足が深刻な問題となる可能性があります。

2018年秋の臨時国会で成立した改正出入国管理及び難民認定法で新たに認めた新在留資格(特定技能1号、2号)による外国人労働者の受入れ(5年間14分野で最大34.5万人)、外国人技能自習生の更なる受入れ、留学生の労働力を活用し、将来的には人手不足に対応しなければなりません。一方、今後、外国人労働者の受け入れを進める上で、外国人受入の拡大が日本人労働者の職を奪うようなことが無い様に、また、日本人労働者の給与引き下げとならない様に適切な対応が求められます。日本で働く外国人との共生社会を築き上げると同時に、将来の人手不足を解消してゆく必要な施策を引き続き着実に推進して参ります。
更新日2021年12月22日
中小企業・商店街支援策
中小企業には、事業継承問題があります。相続税の重い負担によっては、事業を継ぐことが困難なケースが見られることから、自公政権は、2009年度の税制改正において、事業承継税制を導入し、相続税の軽減措置を拡充しました。対象も中小企業全般に広げ、2008年10月1日以後の相続から遡及適用としました。雇用確保のためにも、技術の蓄積のためにも、中小企業の円滑な事業継承は重要なポイントです。しかし、雇用確保条件や、非上場株式の2/3まで、納税猶予も8割までしか認められない、事業継承者も一名までしか認められない等、使い勝手が悪かったことから、2018年度税制改正(10年間の時限立法)により、雇用条件が達成出来なくても納税猶予を一定期間認める、非上場株式全額、納税猶予も100%、事業継承者も最大3名まで認める等の改正が行われました。

また、個人事業者の事業継承も促進するため、2019年度税制改正において、既存の事業用小規模宅地特例との選択制で、土地・建物(400㎡・800㎡まで)、機械・器具備品(工作機器、医療機器等)、車両・運搬具、生物(乳牛・果樹等)、無形償却資産(特許権等)といった多様な事業用資産について、相続・贈与時の税負担を猶予する税制改正もなされました。

資源の少ない日本では、「ものづくり」とそれを支える技術が重要です。日本の中小企業には、世界に誇るべき「ものづくり」を支える側面があります。将来を見渡せば、省エネ・環境技術、医療・福祉技術分野、航空機産業等、国内外で需要が伸びる分野が存在します。「ものづくり」の基盤技術のみならず、次世代を支える分野の技術開発に対しても、国が責任を持って支援をしていくことは必要です。新技術が開発されれば、そこから新たな事業が生まれ、雇用が創出されることにもなるからです。自民党麻生政権時代、試作品の製造費用を助成する補助金が創設されました。残念ながら、民主党の事業仕分けにより予算額は大幅に削減されましたが、政権奪還後、補正予算等で年間1,000億円の予算が付けられるように戻りました。また、試作品だけではなく、新規ビジネスに必要な機材等を購入出来るように制度(「ものづくり・サービス補助金」)の拡大も行い、広く有益に利用されています。

例えば、品川区にある大井競馬場の厩舎組合では、千葉県の南京豆農家から殻の皮を貰い、厩舎の馬の敷き草代わりに利用し、馬糞と混ぜたものを有機肥料とする設備をこの補助金で購入し、新規ビジネスをスタートさせました。小山台の工場でも、この補助金で新たな機械を購入しビジネス拡大を図り、社長さんから私は大変感謝していると言われたこともあります。

商店街振興は、福祉的観点や、地域振興という観点からも重要であると私は考えます。私の選挙区である品川区、大田区は商店街の元気な地域です。そんな商店街の方々と話す機会が多い訳ですが、みなさん地元の顔であり、アイデアマンです。地域のイベントやまちづくりに、積極的な役割を果たしている方もたくさんおられます。東京都は「元気を出せ!商店街事業」を定め、イベント事業だけでなく街路灯設置、防犯カメラ設置などにも支援を行っていますが、国もこれを真似て2013年の補正予算で予算付けを行いました。景気の動向を見ながら、適宜、同様の施策を実施する必要があると考えます。また、2014年の補正予算では、消費喚起予算として、商店街で利用出来るプレミアム商品券の発行を行う予算を計上し、各地で、2割のプレミアムが付いた商品券が販売され、消費刺激策となりました。2019年10月に消費税が10%に引き上げられた場合にも、住民税非課税世帯と0歳から2歳までのお子さんのいる世帯に対し、プレミアム商品券の発行を行う計画となっています。この様な施策も、適宜、同様に行って参ります。

税理士の皆さんと話すと、消費税引き上げによる消費税の納税負担が重く、商店の廃業の危険性があると聞きます。引き続き消費税の免税枠を1千万円から3千万円に戻すことや、消費税納税のための、借入を政府金融機関等から可能になるような施策を実施することが必要であると私は考えます。零細企業や個人事業主の方々が仕事を引き続き出来る環境を創らなければなりません。

更に、飲食店の仕事を増やすために、接待費の免税枠の更なるを拡大することも検討に値すると私は考えます。
更新日2021年12月22日
原子力政策・エネルギー政策
河野太郎衆議院議員(現国務大臣)の日本の原子力政策に関する問題点をバックグランドにして、私の考える原子力政策並びに今後のエネルギー政策に関して記述します。

日本では、原子力発電のエネルギー源となるウランが、発電により、使用済核燃料となり、それを海外(フランス等)で再処理してもらい、プルトニウムと高レベル放射性廃棄物に分離されています。

国際社会の約束として、使用済核燃料は2028年までに、安定的な保管方法(地中に埋める等)で約100~200年保管することになっていますが、世界の国々では、日本の様に再処理は殆ど行われていません。河野議員は、世界の各国同様、使用済核燃料での保管に止めるべきと主張しているのです。

日本の原子力行政は、再処理され抽出されたプルトニウムを高速増殖炉で再度、発電に使用するという世界で唯一の試みです。これを「核燃料サイクル」と呼びます。そして、高速増殖炉による発電ではプルトニウムが再度、1.002倍程度発生することから恒久的エネルギー源を日本が確保出来るというものです。しかし、高速増殖炉の実験炉もんじゅの廃炉が決定されたため、高速増殖炉による「核燃料リサイクル」がいつ行われるかは不透明な状況です。その結果、2019年末時点で、45.5トンものプルトニウムが抽出され、六カ所村、各原発、JAEAで8.9トン、海外(仏・英)で36.6トン保管されているのです。

河野議員は、北朝鮮がウランから核爆弾のエネルギー源となるプルトニウムを50㎏抽出しただけで、大問題になっているのに、日本では軽微な警護で8.9トン以上ものプルトニウムを所有していることに問題提起をしています。

河野議員曰く、日本の原子力行政の
第一の矛盾は、もはや、この高速増殖炉による恒久的エネルギー源の確保、核燃料サイクルという計画事態が実現不可能ではないかというものです。

第二の矛盾は、かつて、54機の原発により、毎年1000トンもの使用済核燃料が発生しており、この保管スペースが不足していた点を挙げています。
一時、原子力発電所内の使用済核燃料のプールに余裕がなくなり、六カ所村の使用済核燃料保管プール(再処理のための原材料としてのプール)(管理容量3000トン、2020年12月末時点保管量2,968トン)に移設されました。その際、青森県知事が本当に、この使用済核燃料が使用されるのか疑義を唱えました。政府は、六カ所村に再処理工場を立ち上げるので、必ず使用されると青森県知事を説得しましたが、六カ所村の再処理施設は現状、稼働していません。
六カ所村への使用済核燃料の移送により、2020年12月末時点で、原子力発電所内の保管プールの管理容量21,250トンに対し貯蔵量は16,180トンとなり約5000トン余裕があります。原発が今後、再稼働した場合、充分な余裕が無く、2020年頃に現在計画されている対策を中心に+4,000トン程度、2030年頃に+2,000トン程度、合わせて+6,000トン程度の使用済燃料貯蔵対策を目指しています。

第三の矛盾は、日本の原子力政策で、2019年末時点で、海外も含めて45.5トンまで増えたプルトニウムを少しでも減らすために、ウラン9、プルトニウム1の割合のMOX燃料による原子力発電を行おうとしていますが、そのために何兆円もの資金を費やすよりは、ウラン鉱山を買収した方が効率的であるという矛盾があるのです。

以上の矛盾点から、河野議員は、現在の全ての原発を耐用年数40年とすれば、2050年に全てが廃炉になるため、その間に、省エネにより電力使用量を削減し、極力、再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電、地熱発電)に代替し、不足部分は天然ガス発電に移行してゆくべきと提言しているのです。

CO2を多く排出しない原発に代わる安定的なベース電源については、地熱発電が挙げられます。国立公園内での地熱発電についても環境省が制限を緩め容認する方向となったため、地熱発電量を拡大することが望まれます。(フィリピンやケニアでは地熱発電がベース電源となっている) 

また、2019年4月に施行された「海洋再生可能エネルギー発電設備に係る海域の利用に関する法律(洋上風力発電のための法律)」により、2021年6月に長崎県五島列島で、2021年12月に千葉県、秋田県にて入札が行われ、洋上風力発電の商業化がスタートします。
2020年12月には環境省の「令和2年度浮体式洋上風力発電による地域の脱炭素ビジネス促進事業委託業務(地域調査業務)」に私の選挙区の大島町を含め6地域が選ばれ、更なる洋上風力立地調査も進み、洋上風力発電の拡大が期待されているのです。

電力コストに関して、河野議員は、原子力発電のコストが安いとのエネ庁の試算に、高速増殖炉のコストや、六カ所村の再処理施設のコスト、MOX燃料使用原子炉のコストの問題が含まれているか疑義を唱えられ、更に、太陽光発電のコストも普及により削減される可能性があると主張しています。
電力コストを再生可能エネルギーの普及でどれだけ削減出来るか明確な答えはありませんが、増え続ける使用済核燃料、プルトニウム、高レベル放射性廃棄物のことを考えると、原子力発電への依存を引き下げるべきであると私も考えます。

但し、原子力発電を全て止める場合、原爆や原子力潜水艦を日本が自らの力で作る技術を失うという安全保障上の問題も私はあると思います。また、電力コストの上昇による日本の産業の国際競争力の低下の問題も重要であると考えます。かつて、みずほ総研は、2011年、貿易収支が赤字に転落した原因のうち、原発停止によるLNG輸入増によるマイナスが▲1.9兆円あり、この様な点も配慮する必要があると考えます。更に、使用済核燃料の管理能力を維持するためにもある程度の原発の稼働は必要に思えるのです。

只、繰り返しになりますが原発による廃棄物の増加を考えれば、原子力技術を維持出来る最小限の原発数(10~20機)に、河野議員のいう様に、今後40年~50年間で縮小均衡させていくことは、今後のエネルギー政策として重要であると私は考えます。実は2021年2月5日時点で、24機の原発が廃炉となっています。九州電力の川内原発の2機、玄海原発の2機、関西電力の高浜原発の2機、大飯原発の2機、合計8機が稼働中ですが、2020年1月の広島高裁の運転差し止め仮処分決定により停止中の四国電力の伊方原発の1機、原子炉設置変更が認められた炉(7機)と、新規制基準への適合性審査中の炉(11機)を合計しても、稼働の可能性がある原子炉は、現状、27機なのです。現実に私の考える将来像に近づいているのが現状です。

【原発の現状】(2021年7月30日時点)
  • 稼働炉 10機(但し、伊方原発の1機は広島高裁の運転差し止め仮処分決定により停止中)
  • 原子炉設置変更が認められた炉 6機 
  • 新規制基準への適合性審査中の炉 11機
  • 適合性審査未申請の炉 9機
  • 廃炉もしくは廃炉を検討 24機
2016年4月1日から、電気料金の完全自由化が実施されました、発送電分離も着実に進められます。今後、家庭での電力料金を引き下げるためには、スマートメーターの普及が私は不可欠であると考えます。スマートメーターは、電力の時間別の使用量が把握出来る仕組みで、夏の日中、電力使用量を減らせば、電力料金が安くなる等の対応が、家庭でも可能になります。各社のスマートメーターの普及状況は以下の通りであり、着実に進めることで、家庭の電力料金の引き下げが2020年代初頭には可能となるのです。
最後に、資源エネルギー庁が進めるメタンハイドレードの商業化(2027年)を直実に進め、日本、自前のエネルギーを所有することは、安全保障上も、海外との液化天然ガス(LNG)の価格交渉を有利に進めるためにも、必要不可欠な課題であり、前進させてゆく必要があると私は確信します。

更新日2021年12月22日
社会資本整備の推進
公共事業費は2002年の14.9兆円をピークに2010年以降、2010年 6.4兆円、2011年 5.3兆円、2012年 7.0兆円(民主党政権)、2013年 6.3兆円、2014年 6.4兆円、2015年 6.6兆円、2016年(熊本地震)7.4兆円、2017年 6.0兆円、2018年 6.4兆円(西日本豪雨等)、2019年 7.2兆円、2020年 6.9兆円(当初予算)、2021年 6.1兆円(当初予算)(自民党政権奪還後)と推移しています。

「コンクリートから人へ」との民主党のスローガンのもと、公共事業費が削減されたかとの印象がありましたが、東日本大震災もあり、民主党政権時代でも、6兆円前後の予算が継続しました。

『公共事業=悪』といった考え方は、私は間違いであると、近頃は考えるようになりました。

羽田空港の再拡張・国際化が2008年10月にスタートし、利便性は著しく向上しました。東京都の中央環状品川線も2015年3月に完成し、環状6号線の渋滞は緩和され、首都高の環状線の渋滞も緩和され、便も大変良くなりました。必要な社会資本整備を進めることは経済活性化、効率化のために重要であると私は考えるようになったのです。

低利の融資を行う独立法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構により、2015年3月には北陸新幹線が開通し、大きなブームを呼びました、また、2016年3月には北海道新幹線が開通しました。低利融資ということで、将来的に資金は回収されることから、国が借金をすることなく、新幹線の整備が進むスキームなのです。

私の選挙区でも、国費を投入した道路整備が進んでいます、補助第26号線(都道420号線)(武蔵小山-大井町間)、また、耐火・遮断道路として建設を予定する補助第29号線(大崎-西大井間)、放射第2号線(西五反田 事業費226.8億円)にも、事業費の半分が国費として投入されます。今後、進む東急大井町線(中延~下神明)の立体事業に関しても、国費が投入されます。

更に、羽田空港跡地の大田区が開発を行う第一ゾーンの区画整備費約130億円の4割についても、国と都から事業費が投入されているのです。

国土交通省の新規鉄道路線整備に関する審議会で、重要路線と位置付けられたJR羽田新線(東京駅、新木場駅、大井町駅三方から羽田空港を目指す路線 事業費約3,000億円)や蒲蒲線(東急蒲田と京急蒲田を結ぶ新線 事業費約1,300億円)にも、将来、着工された場合、国費から資金が投入されます。

以上の事実からも、財政上の制約はあるものの、公共事業費だけ削って、将来の備えを行わないことは、禍根を残す危険性があることが分かると思います。今後、必要な社会資本整備は、自公政権で導入したBバイC(コスト・便益分析)を前提に、しっかりと取り組んでいくべきだと私は強く考えます。

更新日2021年12月22日
農業政策
自民党は、農林水産業の国際競争力を高めるために、いろいろな施策を講じていますが、実績を挙げているのが、農林水産物の輸出の拡大です。2012年に輸出額4,497億円だったものが、2020年には9,217億円まで拡大しています。(2021年5月現在前年同月比+32.2%となっております。)新たな目標2030年輸出額5兆円を目指し引き続き対策を講じて参ります。
2014年、農地中間管理機構(以下、農地集積バンク)がスタートしました。2014年時点で過去20年間の耕作放棄地は約40万ha(滋賀県全体とほぼ同じ規模)に倍増していました。そのため、10年間(2023年目標)で、担い手の農地利用が全農地の8割を占める農業構造実現(農地の集積・集約化でコスト削減)を目的に農地集積バンクは設立されました。

2013年時点で担い手の農地利用は、全農地の48.7%でしたが、その後、農地集積バンクの取扱実績(累積転貸面積)が2014年 2.4万haから2020年 29.5万haに拡大する中で、2020年には担い手の農地利用は58.0%まで上昇しました。今後も引き続き、高齢化が進む農業従事者から若い担い手に農地を賃貸するための起爆剤として農地集積バンクの活用を進めて参ります。
また、2015年には安倍・自公政権のもと、60年ぶりのJA改革も成されました。JA中央の機能を見直し、地域農協の独自性を活かし、農業の活性化を図って参ります。

2020年度一般会計予算の農林水産省の予算は2.13兆円ですが、農家所得の向上、担い手育成、農地の維持、農業基盤の整備により、食料自給率の向上、多面的機能の維持強化を図り、持続可能な農業の発展を目指します。

更新日2021年12月22日
環境問題
国連防災機関によると1998年からの20年間で、地球温暖化の影響により約20億人の人々が洪水被害を被ったと言われています。自然災害の発生件数をまとめた統計によると1998年~2017年は洪水が最多の3,148件、台風などを含めると水害が全体の7割を占めます。

気象庁の報告では、大雨発生回数は、1990年~2019年の30年間で、1901年~1930年と比べて約1.7倍に、短時間豪雨発生回数は、2010年~2019年の10年間で、1976年~1985年に比べて約1.4倍に増加しており、原因は地球温暖化に伴う大気中の水蒸気量が増加したことが寄与している可能性があると報告しています。

私が環境副大臣として担当した災害廃棄物処理の予算も、2017年度66億円が、2018年度358億円、2019年度624億円と度重なる台風・豪雨により拡大しました。

まさに、地球温暖化、気候変動に対する対策が待ったなしの時代を迎えたのです。

2015年11月30日から12月13日、フランス・パリでCOP21が開催され、「パリ協定」(Paris Agreement)を採択されました。当該協定は「京都議定書」に代わる、2020年以降の温室効果ガス 排出削減等のための新たな国際枠組みです。21世紀末までに地球の気温上昇を2℃までに抑え、極力1.5℃の上昇に抑えることを目標としています。この合意は歴史上はじめて、すべての国が参加する公平な合意となりました。日本は2013年比、2030年までに二酸化炭素の排出量を26%削減する目標を決め、実施をしてゆくこととなりました。

21世紀に入り地球温暖化や大気・海洋汚染など、環境問題が深刻になってきていますが、経済活動面においても環境に配慮した「グリーン経済」「循環経済」の考え方が広まっています。
2015年に取り纏められた国連のSDG’s(持続可能な発展目標17項目)には、⑦エネルギーをみんなに、そしてクリーンに(再生エネルギー促進)、⑪住み続けられるまちづくり(ごみ処理、リサイクル等)、⑬気候変動に具体的対策を、⑭海の豊かさを守ろう(海洋プラスチック汚染対策・海洋生態系保護)、⑮陸の豊かさを守ろう(陸上生態系の保護等)等、環境に関する目標が多々含まれています。世界の大きな潮流として、環境に配慮した経済活動へと確実に変化が起こっているのです。

企業側でも、環境に配慮することが、デファクト・スタンダードになりつつあります。経団連と環境省が行う意見交換の場がありますが、2019年11月29日に行われた際、小泉大臣が「経団連も低炭素ではなく、脱炭素では」と問いかけると、その後、経団連も脱炭素を主張する様に変わりました。

TCFD(task force on Climate related financial disclosure 気候変動関連財務情報開示タスクフォース)に参加する日本企業数は世界一(アジア1位)、SBT(Science Based Target) に参加する日本企業数は世界2位(アジア1位)、RE100(renewable energy 100%)宣言している日本企業数は世界3位(アジア1位)(いずれも、2020年7月13日現在)と日本企業の姿勢も大きく変化しているのです。

かつて経済活動とは、環境に相対するものと思われていましたが、近年においては、環境を考慮することが、長期的に見て企業の活動そのものにもプラスになるという考え方が浸透してきているのです。投資家もその様な考え方を持つようになりESG金融が拡大しています。

省エネ製品や環境対応車の普及もその好事例のひとつです。我が国においても、かつて、省エネ効果のある家電の購入に対しエコポイント付与や、エコカー補助金、減税等を行ってきました。

日本の各自治体も動き始めました。小泉大臣が就任して以来、提唱されたゼロ・エミッション・シティー(二酸化炭素排出ゼロ都市)の賛同自治体が、就任前と比べ、2020年8月末時点で4自治体から152自治体に増え、小泉大臣が目標とする日本人口の約半数6,500万人が住む自治体に宣言して頂くという目標を達成する人口約7,115万人が住む自治体が宣言を行ったのです。
更新日2021年12月22日
外交・防衛・国際協力
民主党政権時代、日本の外交は著しく信用を失いました。沖縄普天間基地問題、尖閣諸島沖での中国船衝突事故、メドベージェフ前ロシア大統領の北方領土訪問、竹島への李明博元韓国大統領の訪問、韓国政府の自民党議員、ウルルン島訪問拒否、民主党政権の対応のまずさは、国益を棄損し、日本のプレゼンス低下に直結する由々しき問題でありました。

しかし、安倍前総理の「地球儀を俯瞰する外交」により、日本は外交の信頼を取り戻すことが出来ました。自公政権の下、外交力を抜本的に高めてゆくため、大使館体制の強化など、外交基盤の整備が直実に進んでいます。

【日本の大使館及び在外公館数の推移】
  • 2009年~2012年 民主党政権時代 204→203
    大使館新設 1 政府代表部新設 1 総領事館廃止 3
  • 2012年~2020年 自民党政権時代(安倍・菅政権時代)203→229
    大使館新設 19(134→153)総領事館新設 5(61→66)
    政府代表部新設 2(8→10) 
また、自民党が政権奪還後、日本企業が海外で仕事をし易くし、企業の負担を減らすための、投資協定、租税条約、社会保障協定、及び経済連携協定(EPA)等も着実に国会での承認件数が推移しています。

民主党政権最後の2012年、国会が空転する中、承認案件が0件であったものが、自民党政権に移行してから、2020年の通常国会までに、77件の条約や協定が国会で承認されました。

【近年の投資協定、租税条約、社会保障協定及び経済連携協定の国会承認件数の推移】
日本のODA予算は、1997年の1兆1,687億円をピークに、2021年度予算の5,680億円と約半減(▲51%)まで縮小しましたが、自民党政権では外交ツールとして利用出来る外務省のODA予算を着実に増加させてきました(2013年 4,212億円 2014年 4,230億円 2015年 4,238億円 2016年 4,342億円 2017年 4,343億円 2018年 4,344億円 2019年 4,376億円、2020年4,429億円、2021年4,498億円)。これからも、世界が狭まる中、ODA予算を活用し、日本のプレゼンスを向上させて参ります。

2021年1月に茂木外務大臣が政府四演説の外務大臣演説で掲げた、日本外交の七本柱、①日米関係の強化、②「自由で開かれたインド太平洋」③近隣諸国との関係改善、④北朝鮮問題、⑤中東情勢、⑥新たなル-ル作りに向けた国際的取組、⑦地球規模的課題への対応は日本外交を考える上で重要なポイントです。

①日米関係の強化は、普天間基地の辺野古へ移設、新日米ガイドラインの制定、平和安全法制の成立、日米FFRの成立、安倍・トランプ両首脳から菅・バイデン両首脳の友好関係等により確実に進捗しています。現状、日米関係は戦後、最も友好的な関係にあると言っても過言ではありません。

一方、③近隣諸国との関係改善、④北朝鮮問題は、厳しい状況にあります。朴前大統領の時代に、韓国との間で、慰安婦問題に関する日韓合意がなされ、関係改善が図られましたが、その後、ムンジェイン大統領の時代になり、戦時中の朝鮮半島労働者に関する判決、「和解・癒し財団」の一方的な解散、自衛隊機へのレーダー照射、国会議長の天皇陛下への不敬発言等国際法や国際約束の違反、非礼を繰り返す韓国との関係は悪化しています。北朝鮮との関係も、米朝会談は二度行われたものの、核・ミサイル開発の断念には至っていません。拉致問題も進展が見られない状況です。ロシアとの関係も、度重なる安倍・プーチン会談が行われたものの、北方領土の返還には至っていません。更に中国との関係は、2019年6月にG20に習近平首席が訪日することで一端、改善の兆しが見えましたが、新型コロナ禍、尖閣諸島における中国の度重なる船舶、軍用機による侵犯、香港における国家安全法による民主化勢力への弾圧、ウイグル自治区に於ける人権侵害等で厳しさを増しています。

その様な状況下、中国の軍事的進出や中国独自の国際ルール確立との姿勢を警戒して、自由経済、民主主義、法の支配といった同一の価値を共有する日米豪印による②「自由で開かれたインド太平洋」といった概念が、7本柱の二つ目に掲げられる程、重要さを増しているのです。

⑤中東情勢への対応です。
中東地域においては高い緊張状態が継続し、また、イスラエルと一部のアラブ諸国が国交を正常化するなど、情勢の変動が見られます。世界各国が様々な関係を持つ、この地域の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄に不可欠です。我が国は原油輸入の約9割をこの地域に依存しており、中東地域の海域において、航行の安全を確保することは極めて重要です。引き続き、中東地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、多方面に信頼関係を有する日本の立場も活かし、粘り強い外交努力を通じて貢献していきます。

⑥新たなルール作りに向けた国際的取組を主導します。
世界で保護主義や内向き志向が強まる中、日本は、TPP11以来、日EU・EPA、日米貿易協定、日英EPA、RCEPなど、自由貿易の旗振り役としてリーダーシップを発揮してきました。引き続き、日本が推進してきた自由で公正な経済圏の拡大や、ルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化に取り組みます。

ポストコロナで重要性が増すデジタル分野においては、G20大阪サミットで議長国として立ち上げた「大阪トラック」を国際的に推進し、データ流通の共通ルール作りを主導するとともに、国連、WTO、OECD等の場においても、国際的なルール作りの中心的な役割を果たします。また、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」や「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」など、日本が2019年G20サミットで打ち出した原則・ビジョンの普及・具体化に向けて、引き続き国際的な指導力を発揮します。

以上に加え、日本企業の海外展開支援を始め、官民連携の強化に一層取り組みます。また、東日本大震災から10年を迎える本年、海外における風評対策と日本産食品に対する輸入規制措置の撤廃に向けた働きかけも、一層強化します。

同時に、日本の政策・取組・立場に対する理解と支持を拡げるため、パブリック・ディプロマシーを一層力強く展開するとともに、中南米を始めとする世界各地の日系人社会との連携にも、これまで以上に取り組んでいきます。

⑦地球規模課題への対応です。
「人間の安全保障」の理念に立脚し、積極的かつ戦略的なODAの活用を通じ、SDGs達成を始めとする地球規模課題への取組を加速します。特に現在、気候変動問題への取組は最も重要な課題です。2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする、「カーボン・ニュートラル」の実現に向け、パリ協定が目指す脱炭素社会を実現するため、本年のCOP26を含め、各国と連携しつつ、国際社会の取組をリードしていきます。また、海洋プラスチックごみ、人権、難民・避難民、女性の参画、防災など、SDGs達成に向けた諸課題にも積極的に取り組みます。

2022年にはアフリカで2回目の開催となる第8回アフリカ開発会議(TICAD8)がチュニジアでの開催が予定されています。新型コロナの感染拡大でその重要性が更に高まっている保健分野を含む開発課題に対し、人材育成を始め、「アフリカ自身が主導する発展」を引き続き力強く後押しします。

新型コロナの世界的な感染拡大により、今まで以上に国際協調が求められる中、日本はこれまでも国連を始めとする多国間の枠組みを重視してきました。この点、日本の常任理事国入りを含む安保理改革は待ったなしの課題であり、具体的交渉を開始すべく取り組むとともに、国際社会の平和と安定に一層貢献するため、2022年の安保理非常任理事国選挙での当選を目指します。また、国連PKOや2021年3月に日本で開催される第14回国連犯罪防止刑事司法会議、通称「京都コングレス」等を通じて、幅広い国際課題に積極的に貢献していきます。こうした多国間の枠組みを通じた貢献を一層進展すべく、より多くの有能な日本人が国際機関で活躍する機会を増やす取組を強化していきます。

次に、国防に関し申し上げます。
現状の我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。特に、北朝鮮は2016年1月の核実験に続き、2月には「人工衛星」と称する核弾頭ミサイルを発射しました。更に、2017年に入り3月には、4発同時の弾道ミサイルを発射し、7月にはICBM級「火星14」を発射、IRBM級「火星12」型ミサイルは、5月、8月、9月に発射、11月には新型ICBM級「火星15」型の発射も行いました。これらの一連の動向は、北朝鮮の核兵器開発をより一層進展させるとともに、その運搬手段となりえる弾道ミサイル能力の増強に繋がるものであり、我が国の安全保障上極めて懸念すべき問題です。更に、中国は、尖閣諸島周辺で艦船による恒常的な活動を実施し、2018年1月には潜水艦とフリゲートが尖閣諸島の接続水域内を航行しました。そして、中国の海警局の監視船による尖閣諸島への侵犯は恒常化し、中国の海警法の改正に伴い、外国船への海警局監視船による武器使用が認められたことから、一触即発の危険性が拡大しています。また、独自の主張に基づく「東シナ会防空識別区」の設定といった公海上空における飛行の自由を妨げるような動きを継続し、2017年以降、西太平洋への軍用機の飛行が急増しています(2017年8月には爆撃機が紀伊半島沖まで進出)。南シナ海においては、大規模かつ急速な埋め立てや港湾・滑走路などの施設の建設を強行し、一方的な現状変更及びその既成事実化をより一層進展させており、その動向は、今後も強い関心を持って注視してゆく必要があります。また、グローバル化と情報通信をはじめとする技術革新が進む中、国際テロが増加・拡散するなど、一国・一地域で生じた混乱が直ちに国際社会全体の課題となるリスクが高まっています。この様の状況を踏まえ、以下の施策を自公政権は推進して参ります。

まず、平和安全法制の施行に伴い、あらゆる事態に対し切れ目のない対応を行う態勢を周到に作り上げて参ります。その為にも、新日米ガイドランに沿って、日米防衛協力の深化を図って参ります。 防衛力強化のために、2018年12月18日に策定された「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」に基づき、陸海空の領域横断作戦を実現するため、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域における能力を強化します。我が国の偵察衛星に対するキラー衛星、対衛星攻撃ミサイル等の攻撃からの備えとして、空自に宇宙領域専門部隊を新編し、宇宙状況監視(SSA)システムの整備、宇宙設置型光学望遠鏡の整備、Xバンド衛星通信網の整備等を進めます。サイバー攻撃への備えとして、サイバー防衛部隊の新設等の体制拡充を行い、情報収集能力や調査分析能力の強化、実践的な訓練環境の整備等を行います。電磁波爆弾といったコンピューター等に壊滅的な打撃を被る攻撃への対策として、電磁波の利用に係る企画・調査機能を強化するため、内局及び統幕への専門部署を新設し、電磁波情報の収集・分析能力の強化及び共有態勢の構築、相手方のレーダーや通信等の無力化のための、装備品の研究開発や整備を推進します。更に、継続的に従来の陸海空の領域における能力強化も進めます。 航空優勢の獲得のため、哨戒ヘリコプター搭載護衛艦(「いずも」型)の改修により、F-35B(STOVL機=短距離離陸垂直着陸機)が配備可能とします。また、STOVL機も新たに18機購入します。海上優勢の獲得のため、潜水艦の整備(5隻)、試験潜水艦の導入も行います。島嶼防衛のため、島嶼を占領した敵に対し、中距離から攻撃可能なスタンド・オフ・ミサイル(JSM、JASSM及びLRASM)の整備も行います。ミサイル防空能力向上のためイージス・アショアの代替策も進めます。また、直近の「中期防衛力整備計画」(令和元年~令和5年)の各年度の予算編成に伴う防衛関係費は概ね25兆5千億円を見込みます。

各国との安全保障協力の推進も重要な課題です。日米同盟の強化に加え、豪州、韓国、ASEAN諸国、インド、欧州諸国など関係各国との共同訓練や防衛装備・技術協力を含む防衛協力・交流を引き続き推進して参ります。その一環として、2018年には、ベンガル湾海空域での日印共同訓練、グアムにおける日米豪共同訓練等を行っています。

世界に誇れる外交・防衛・国際協力を自公政権はこれからも全力を尽くして進めてゆくことをお約束致します。


更新日2021年12月22日
TPP11等について
日本は貿易立国であり、戦後、自由貿易のメリットを十二分に享受して発展を遂げてきました。21世紀、日本が新たな発展を追求するためにも、TPP11(環太平洋経済協力協定)等の経済連携協定等は、必要な協定です。TPP11(2018年3月8日署名、2018年12月発効)は世界のGDPの約10兆ドル、貿易総額約5兆ドル、人口約5億人を占める11ヶ国に跨る経済圏における物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、知的財産、電子商取引、国有企業、環境等幅広い分野で21世紀型の新たなルールを構築するための法的な枠組みを定める協定です。

我が国にとっての経済効果は、実質GDPを1.5%(2016年度GDP水準で換算した場合:約8兆円)押し上げ、雇用を0.7%(約46万人)増加させる見込みです。

重要5品目(①米、②麦、③牛・豚肉、④乳製品、⑤砂糖)に関しては、594ある関税のうち、424の関税の即時完全撤廃を逃れることが出来ました。また、特に打撃を被りそうな酪農家(牛・豚肉、乳製品製造者)に対しては、牛・豚肉の価格下落の補てん事業(肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)、養豚経営安定対策事業(豚マルキン))を法制化し、液状乳製品(生クリーム等)を加工原料乳生産者補給金制度の対象に追加する等、対応しています。

日・EU経済連携協定(2018年7月署名、2019年2月発効)は、日本とEU構成国27ヶ国という世界のGDPの約3割(EUのGDP17.3兆ドル+日本のGDP4.9兆ドル)、世界の貿易の約4割を占める地域における物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、知的財産、電子商取引、国有企業、規制協力等幅広い分野での経済連携協定です。関税の撤廃率ではEU側が約99%、日本側が約94%、となっています。日本にとって現行10%の自動車の輸出に関する関税を8年目以降に撤廃される、一方、コメのEUからの輸入は対象外となり、麦・乳製品の国家貿易制度、砂糖の糖価調整制度、豚肉の差額関税制度は維持し、関税割当てやセーフガードは確保しています。

我が国にとっての経済効果は、実質GDPを1.0%(約5兆円)押し上げ、雇用を0.5%(約29万人)増加させる見込みです。

日米貿易協定(2019年9月署名)は、農業水産品に関し日本側の関税をTPP11の範囲内で撤廃する一方、自動車・自動車部品以外のその他工業品について、日本側の関心品目を中心に関税削減・撤廃を実施するもの。自動車・自動車部品については「関税の撤廃に関して更に交渉」と協定に明記して、協定の誠実な履行中は米国による追加関税を課さない旨、日米共同声明に明記、首脳間で確認。数量規制・輸出自主規制等の措置は課さない旨も閣僚間で確認しています。

地域的な包括的経済連携(RECP)協定(2020年11月署名)は、世界のGDPの約3割(25.8兆ドル(2019年))、世界の貿易の約3割(約5.5兆ドル(2019年))、人口22.7億人(2019年)(世界全体の約3割)を占める日本とASEAN10ヶ国、中国、韓国、豪州及びニュージーランド(NZ)という地域における物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、知的財産、電子商取引、紛争解決等幅広い分野での経済連携協定です。関税の撤廃率は日本製品の締結国への輸出に関し、86~100%(ASEAN・豪州・NZ)、86%(中国)、83%(韓国)、日本の関税撤廃率は88%(対ASEAN・豪州・NZ)、86%(中国)、81%(韓国)となっています。

政権奪還後、自公政権は、自由貿易推進のために、これらの重要な経済連携協定等を締結して来ました。今後も、開かれた自由貿易により日本が更なる躍進が出来るように力を尽くして参ります。
更新日2021年12月22日
領土問題
領土とは国民の拠って立つ重要な基盤であり、過去の日本人から受け継いできた生活の礎でもあります。現在に生きる我々は、この大切な領土を未来の日本人に引き継ぐ責務があるのです。

北方領土、竹島と、日本には「領土問題」が存在しますが、これらの領土は基本的に堅持しなければなりません。現状、占拠されている北方領土、竹島においては、一貫して返還を求めていくことが必要です。尖閣諸島については日本政府の立場は日本固有の領土であり、「領土問題」は存在しないという立場であり、中国の公船が引き続き接続水域を航行する等、執拗なちょっかいもあり、国会が国政調査権を行使し、尖閣諸島の調査を行う等、尖閣諸島が日本固有の領土であることを世界に堂々と示すことで、中国を牽制する必要があります。

2012年4月、ワシントン訪問中の石原慎太郎元都知事が、尖閣諸島を東京都で埼玉の地権者から購入することを公表しました。2010年9月に起きた中国漁船の海上保安庁巡視船への衝突事件、その後の政府の腰砕け対応等から、地権者は当初は民主党政権下の政府には売却の意志がないとの素振りでしたが、最終的には、2012年9月に政府(民主党政権当時)に売却されました。その後は、皆様の記憶に新しいところですが、中国の海洋監視船が、尖閣諸島の領域や、接続水域に何度も侵入し、海上保安庁が監視を行う、いざこざが何度も繰り返されました。

2012年のゴールデンウイーク、当時の自民党幹事長であった石原伸晃衆議院議員とフィリピンのアキノ大統領を表敬訪問した際、南沙諸島で中国と対峙しているフィリピン海軍の状況等意見交換を行いました。その中で、中国に対し共通の問題を持つ日比が連携し、中国の海洋進出を封じ込めるために協力していくことで合意しました。しかし、残念ながら、その後、中国は南沙諸島の埋め立て、軍事基地建設を着実に日米尻目に、進めている状況が続いています。

日米はもとより、フィリピン、ベトナム等、中国の海洋進出を警戒する東南アジアの国々、また、法の支配、自由貿易、民主主義といった共通の価値観を持つ国々と連携して、力による現状変更を進める中国に対し、領土を守るために積極的に連携を深めてゆかなければなりません。

2014年には、中国密漁船による小笠原諸島での赤サンゴの大量密漁事案が発生しました。解散直前の国会で、罰金等を強化する法案が可決され、その後の海上保安庁の警戒・監視、中国サンゴ密漁船船長の逮捕により、密漁船は現在、見当たらなくなりました。今後も、領土保全のために海上保安庁の人員・船舶の増強を図り、毅然とした態度で臨んで参ります。

北方四島に関しては、長い歴史の中で、外国の領土になったことが一度もなく、安政2年(1855年)の日魯通好条約以来、法的にも一貫して日本の領土であることが確認されています。2016年5月の安倍・プーチン会談において、新たなアプローチで北方領土の問題を日本・ロシア間で協議してゆくこととなりましたが、四島の帰属問題を解決し、早期にロシアと平和条約を締結することを大変、難しい課題ですが進めて参ります。
更新日2021年12月22日
拉致問題
昭和50年代以降、北朝鮮は多くの日本人を拉致しました。現在少なくとも17名が、北朝鮮による拉致被害者と政府は認定しています。拉致の可能性を否定できない特定失踪者の方々を加えると、実に100名以上にも及びます。このような北朝鮮の犯罪行為は断じて許すことが出来ません、国民の生命と安全を守れずして、国家とはいえないからです。

2002年の小泉訪朝の際、北朝鮮は拉致を認め、5人の被害者とその家族が帰国しました。しかし他の被害者については、未だ納得のいく回答はなく、膠着状態が続いています。

日本政府は、六カ国協議やサミット等の国際会議など、あらゆる外交交渉の場で拉致問題を提起してきました。私も外務政務官時代(2013年9月~2014年9月)、ジュネーブの国連人権委員会の会議で、北朝鮮の人権問題と拉致問題について抗議しました。解決へは国際社会を巻き込み北朝鮮に圧力をかけることが重要です。継続されてきた核実験、ミサイル発射に対し経済制裁も一層強化されました。日本政府も、人的往来の規制強化、北朝鮮との輸出入の全品目禁止、北朝鮮向け送金の原則禁止などカネの流れの規制強化も実施しました。

政府・外務省のみならず、警察、治安関係機関等も交え、オールジャパンで徹底的に問題追及を図り、被害者を全員無事取り戻すべく全力をあげてきました。

2014年5月、スウェーデンのストックホルムで、日朝両政府は、北朝鮮による拉致被害者の再調査と、日本の独自制裁の一部解除を柱とする合意を結びましたが、北朝鮮からの調査報告は成されず、度重なる核実験とミサイル発射により、制裁が更に強化されました。

2018年6月12日、シンガポールで初の米朝首脳会談が開催され、米国のトランプ大統領が北朝鮮の金正恩総書記にも拉致問題を言及したことから、拉致問題の解決に期待が高まりましたが、2019年2月27日、28日の第二回米朝首脳会談が核・ミサイル開発の問題で物別れになった為、先行きは不透明な状況となっています。しかし、米国のトランプ大統領は、安倍首相との親密な関係もあり、拉致問題に対しても深い理解があることから、我々は、米国の力も借りながら、核・ミサイル・拉致問題の解決のため、引き続き粘り強く取り組んでゆく覚悟です。

菅総理も、安倍前総理同様に無条件での金正恩総書記との会談を発言しており、その機会を実現し、早期の拉致被害者の奪還を目指して参ります。
更新日2021年12月22日
行政改革
日本は近代化のプロセスの中で、官界に優秀な人材を集め、国力の増進を計ってきました。役人を海外に留学させたり、役人が国の方針に基づき産業界を育成したり、民間にはできないような大きな仕事を与え、国益のために働かせるよう努めてきました。その方向性は間違っていなかったと私は思います。

しかし、自民党が2009年に下野する以前まで、官僚機構の肥大化による弊害が顕著になり、官僚が国家よりも出身省庁を優先しているのはないかと思える様な、予算の奪い合い、重複する公益法人を天下りのために設立するといった出来事が頻繁に露呈してきました。

行政改革は古くは中曽根康弘内閣の国鉄、専売公社、電電公社の民営化、橋本龍太郎内閣の省庁再編、そして、小泉内閣における郵政民営化、道路公団民営化の実現、そして2006年には行政改革推進法が施行され、国家公務員の削減、政府系金融機関の統合等が断行されました。

また、官民人材交流センターが、国家公務員に対し、省庁ごとに行われていた民間企業への再就職先斡旋を廃し、一元的に再就職先の斡旋を行う機関として2008年に設立されました。また、官民人材交流センターを監視する内閣府内の再就職等監視委員会が設置されました。

公益法人改革では2012年12月迄に、内閣府の基に置かれ、公益法人認定委員会の採択により、内閣総理大臣並びに都道府県知事が認定を行い、各省庁から切り離された形での新たな公益法人(財団、社団)が誕生しました。

特別会計や随意契約について、民主党は政権交代前の野党時代、根絶をすれば、無駄を省けると主張してきましたが、特別会計の一部見直しには着手したものの全廃までは及ばず、特別会計の積立金は民主党政権下の予算編成で、使えるだけ使って、もう税源は見あたらないということで、消費税増税を行うことになりました。

随意契約についても、2009年の政権交代前の自民党政権時代、無駄遣い撲滅プロジェクトチームで精査し、既に大半の取引が入札に変わっており、民主党政権下で更なる随意契約の見直し廃止が行われ財源が確保されたといった実績はありませんでした。

無駄撲滅は永遠の課題です、行政改革担当大臣のもとに行われる各省の事業レビュー、会計監査院の事業監査を通じて、引き続き、行政改革を直実に推進して参ります。

最後に、なかなか、実現が難しい課題ですが、引き続き、東京都や大阪府が導入した複式簿記を日本国においても導入することを検討したいと私は考えます。
更新日2021年12月22日
憲法問題
現在の日本国憲法は、制定後70年が過ぎ、制定時には想像もつかなかった国家の役割、国民意識の変化、国際社会の激変など、時代の様相の変化は著しいものがあります。

「基本的人権の尊重」、「主権在民」、「平和主義」という基本理念を堅持しながら、日本人自身の手による、歴史と伝統を踏まえ時代の要請に応える憲法を制定すべき時期に来ていると私は考えます。

自由民主党は、結党50周年にあたる2005年、党独自の憲法改正案を国民の前に提示しました。更に、2012年4月に自民党としての最終的な「日本国憲法改正草案」を纏めました。そして、安倍政権の下、2018年に四項目の憲法改正案の取りまとめを行いました。かつての民主党は2009年の政権交代前は、憲法改正をタブー視する姿勢を示しませんでしたが、政権交代後は一切、議論を進める姿勢を示しませんでした。のちの民進党の綱領にも、立憲主義は掲げるものの、新たな憲法を制定するという記載は一切示していませんでした。そして、現在、立憲民主党は、憲法審査会での審議も拒否するありさまです。

2007年には、改憲手続きに関する法案が成立し、2010年から施行されました。まさに、21世紀の日本の基礎となる新しい憲法を創る準備が整っているのです。

只、残念なことに、2015年の平和安全法制の成立後、憲法改正を必要と考える人の割合がアンケート調査で、不要とする人よりも少なくなってしまいました。

しかし、憲法議論に関しては、政局や世論調査と絡ませず取り組むべき問題だと私は考えます。各党、各政治家が様々な議論を戦わせ、新たな憲法を制定すべく審議を深めるべきです。私自身、憲法改正という大きな国家的課題に取り組むことに、政治家として使命感を燃やしています。

憲法とは国家と国民の契約であり、その国の国柄をなすものです。日本の文化や伝統をしっかりと反映した憲法を創りあげ、新たな21世紀の日本の指針としたいと考えます。

憲法改正の中身についての私の考え方は、慶應義塾大学法学部の山本教授との共著「憲法改正を考える」のコラム欄を是非、ご覧下さい。
更新日2021年12月22日
原発の再稼働
消費税の増税
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加
カジノを含む統合型リゾート(IR)
北方領土の返還
靖国神社参拝
女性宮家の創設
選択的夫婦別姓制度の導入
ヘイトスピーチ規制
憲法改正
死刑制度の廃止

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